現代美術への視点
集英社の昴(すばる)10月号を送って頂いた。
東京国立近代美術館の保坂健二郎さんからだ。「現代美術への視点 エモーショナルドローイング」展のキューレートをしている。
今回すばるに「「和紙」とアートー阿波紙の試み」としてアワガミの和紙会館で行っているair活動を紹介頂いた。
海外のアーティストが、和紙を見る場合の視点を、我々とは違った指摘をして頂いている。言われてみてそうなんだろうなと思う。
和紙でなければ、何なんだろう。
ふと、数十年前の角永さんとの出会いを思い起こす。現代美術との始めての出会いであった。私の紙漉の原点が、この辺りから生まれて来たのではないかと邂逅する。
保坂さんは、インドからのアーティスト、ミトゥ・センの作品作りに一緒に来館した。今にして思えば、何かと心配だったのだろうと思う。
ミトゥ・センは、来館するまでに何度となく、メールのやり取りをして制作意図などを問い合わせた。
しかし、よくわからない。毎回質問内容が異なり、紙で何を制作したいのか、来館するまで意味不明であった。
これでは、何を準備していいのか解らない。

彼女の制作スタイルはコラージュである。絵筆を使って書くが、そこには今現在の社会を封じ込める意味だろうか、象徴的な絵を挿入する。そこに彼女の意思としての心情を絵筆で表現する。
そのためにシルクスクリーンは出来るか、印刷は出来るかと問い合わせて来ていた。
意図の分からない間は、ここは紙漉場で印刷所ではないから、そのような設備はない、と返事をしたものだ。
ミトゥ・センは魚や動物の絵柄を欲しがった。
シルクスクリーンはないのでインクジェットプリンターで拡大印刷を提案する。
絵柄は講談社の料理材料大図鑑Marche(マルシェ)から拝借することにした。数年前に本屋さんで立ち読みしていた時に、余りに食材の写真が豊富で奇麗に印刷されていたので思わず衝動買いしてしまった一冊である。
製作中の作品はプレ・ノワールと言うフランス産の地鶏である。最終的には2×3mの作品を5枚作ったが、これはそのための習作である。
11月は京都国立近代美術館でも巡回展示される。
http://www.momat.go.jp/Honkan/Emotional_Drawing/#artist
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2008/369.html
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